QC検定の出題頻度
データの取り方・まとめ方はQC検定3級では約2/3程の確率で出題されます。
試験(QC検定3級) | 第24回 | 第25回 | 第26回 | 第27回 | 第28回 | 第30回 |
データの取り方・まとめ方 | 1問 | 2問 | 1問 | 0問 | 0問 | 1問 |
出題されない時もありますが、データの取り方・まとめ方はQC検定にとって基本的な内容で、管理図や標準偏差などで出題されるので、必ず覚えておく必要があります。
データとは
QC検定においてデータとは、情報を分かり易い形にし再度解釈できるものです。
データには数値データと言語データの2種類があります。
数値データはQC七つ道具やQC検定2級に出題される統計的検定・推定、実験計画法などの手法に用いられ、言語データは新QC七つ道具に用いられます。
また、数値データには計数値データと計量値データの2種類があります。
計数値データとは基本的に不良数や不具合件数など数えられる値(整数)です。
計量値データとは重量や長さなど連続的な値(小数)です。
ただし不良率は小数まで書くことが一般的ですが、分類は計数値データになります。
※不良率は不良数(計数値データ)/生産数(計数値データ)なので、計数値データになります。
サンプリング
サンプリングとは、母集団からサンプルを採りだす行為の事です。
※母集団・・・元の全体の集団(データ)
サンプリングからデータを収集(測定)する事で、母集団の傾向を推測する事ができます。
データには必ずと言っていいほどのばらつきが含まれています。
データのバラツキは以下の式で表す事ができます。
データのバラツキ = サンプリング誤差のバラツキ + 測定誤差のバラツキ
サンプリング誤差のバラツキは、抜き取ったサンプルのバラツキとかたよりの両方を含みます。
基本統計量とは
データを分布にまとめるのに、必要な指標を基本統計量と言います。
基本統計量には以下の7つがあります。
◎分布の中心を表す統計量
1.平均値(Xbar:エックスバー)
2.メディアン(Me)
◎分布のバラツキを表す統計量
3.平方和(S:ラージエス)
4.分散(V:ラージブイ)
5.標準偏差(s:スモールエス)
6.範囲(R:アール)
7.変動係数(CV:シーブイ)
基本統計量の計算方法
7つの基本統計量の計算方法は以下の通りになります。
1.平均値
平均値は小学生から学んだ通り、全てのデータの総和をデータ数で割った値になります。
2.メディアン(Me)
データを大きさ順に並べた時の中央の値になります。データ数が奇数個の場合は真ん中の値になり、データ数が偶数の場合は真ん中2個の平均値になります。
【データが奇数個】
データが1、3,6,7,9(データ数5個)の場合
Me = 6
【データが偶数個】
データが1、3,6,7,9,11(データ数6個)の場合
Me = (6+7)/ 6.5
3.平方和(S:ラージエス)
平方和とはサンプルのバラツキを表す指標の1つです。各サンプルデータから平均値を引いた値を2乗、それを総和すれば平方和になります。
以下の公式で求める事ができます。
4.分散(V:ラージブイ)
データの散らばりの大きさを表す指標で、大きいほどデータが散らばっていることを表します。
総務省統計局HPより引用統計局ホームページ総務省統計局、統計研究研修所の共同運営によるサイトです。国勢の基本に関する統計の企画・作成・提供、国及び地方公共団体の統計職員に専門的な研修を行っています。
公式は以下の通りになります。
V:分散、s:標準偏差、 S:平方和
5.標準偏差(s:スモールエス)
標準偏差とは平均値からの散らばり具合(ばらつき)を表す指標の一つです。
標準偏差については以下のページに詳しく書いていますので、良ければ覗いてください。
QC検定3級 QC七つ道具 ヒストグラム② 標準偏差と工程能力指数 | アンキロぱぱのQC検定3級合格のためのブログ (ankiropapa.com)
公式は以下の通りです。
6.範囲(R:アール)
範囲はデータの最大値から最小値までで、公式にすると
R = Xmax(最大値) - Xmin(最小値)
になります
7.変動係数(CV:シーブイ)
変動係数とは標準偏差を平均で割ったものです。
標準偏差を平均で割る事で、複数の集団のバラツキ(標準偏差)を比較する事ができます。
公式は以下の通りです。
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