QC検定で重要なワード
- パレート図は、全体の中で何の事象が大きな影響を占めているか明確にする手法
- 棒グラフで各事象の大きさを確認し、折れ線で各項目までの全体の比率を確認する
- 横軸は大きい順番に並べる
パレート図とは
パレート図とは、全体の中で何の原因や事象が大きな影響を占めているかを明確にする為の手法です。
不具合項目や作業項目などを層別したものを横軸にし、不良数、作業時間、金額(コスト)などを縦軸にします。
横軸は大きい順に並べ、棒グラフで表示します。次に横軸の項目を累積和でプロットして折れ線グラフで表示します。
上図は、樹脂射出成形の工程内不良をイメージして作ったパレート図です。
棒グラフは不良件数、折れ線グラフは不良件数の累積比率[%]です。
棒グラフで各事象の大きさを確認し、折れ線で各項目までの全体の比率を確認する事ができます。
折れ線グラフで全体の比率を確認する事ができるので、何を優先的に改善すればいいのか視覚的に理解する事ができます。
例えば70%以上工程内不良を改善したい場合、フラッシュ、キズ、ゲートカット不良で76.9%を占めているので、優先的に改善を進めます(重点指向)。
パレート図の作るポイント
チェックシートを作成・使用する時に以下の3点に注意が必要です。
①使用目的を明確にする
何の為に調査するかで項目が変わるので、目的は明確にする必要があります。
例えば、設備停止を要因を横軸に作成する場合、目的によっては縦軸が設備停止の件数、設備停止時間、設備停止よるコストなど、内容が変わります。
②データ収集・整理
目的を明確にした後に横軸になる分類項目を決め、データを収集します。
データ数は少なければ誤差で事実とは違うパレート図・見解になる可能性があるので、1週間、1カ月とある程度まとまったデータが必要です。
また収集したデータは、パレート図にする前に表でまとめます。
表でまとめる際に以下の注意が必要です。
・データを大きい順に並べる
・データの小さい物は「その他」でまとめる
・「その他」はデータの大きさに関わらず、最後にする。
・データの隣に累積和を作成
※累積和・・・データを累積した値 上表を例にすると、27、27+15、27+15+7・・・とデータを順番に足していく
・累積和の隣に累積比率を作成
累積比率・・・累積和 / 総和(上表だと65)
③パレート図の作成後、見易く整える
作成した表からパレート図を作成します。
パレート図を作成する際は以下の事を行い、見易く整えます。
・棒グラフの各項目間の隙間を無くす。
(棒グラフを太くする)
・折れ線グラフの始点を(0,0)にする
Excelだと第2横軸の軸オプション(書式設定)の軸位置を目盛にチェックすると始点を(0,0)にできます。
・棒グラフの右角と折れ線グラフの1点目を合わせる
④完成したパレート図で解析・検討する
完成したパレート図で各項目の大きさと、全体の比率を確認します。次に影響が高い順番に、どこまで改善するか決めます。
例えば改善の対象を70%にする場合は、下表のように「フラッシュ」「キズ」「ゲートカット不良」の改善を行います。
問題
次の文章で正しければ〇、間違えなら✖と回答せよ。
問1
パレート図とは、何の事象が1番大きな影響を与えているかを明確にする為の手法。
問2
棒グラフで各事象の大きさを確認し、折れ線で各項目までの全体の比率を確認する。
問3
次の①~④の空欄に入るのは、以下のア~エのどれか回答せよ
ア.3
イ.27
ウ.50
エ.100
回答
問1 :✖ 1つの事象ではなく、全体で大きな影響を占めているのは
何の事象を明確にする。この時の事象は1つとは限らない。
問2 :〇
問3 :① [ イ ]
② [ ウ ]
③ [ ア ]
④ [ エ ]
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