QC七つ道具 層別

QC検定 3級

層別とは、データを特定の基準や属性に基づいて分類し、それぞれのグループについて分析を行うことを指します。

試験(QC検定3級)第24回第25回第26回第27回第28回第30回
層別1問

出題頻度ほとんどありませんが、QC検定では大切な考え方なので、しっかりと覚えておきましょう。

QC検定3級で重要なワード

  • 層別とはデータを項目に分けて比べる事で違いを見つける事ができる手法
  • 結果(特性)を層別する事で、原因(要因)の違いを見つける事ができる
  • 原因(要因)を層別する事で、結果(特性)の違いを見つける事ができる

層別とは

不具合などを調査する時、日々の計測データやトライ結果などからアプローチする事があります。
この時闇雲に計測データやトライ結果を確認しても、不具合の原因が何かわからず、堂々巡りになります。

層別とはデータを、作業者、日付、設備、生産時の温度、生産条件などの項目に分けて比べる事で違いを見つける事ができる手法です。

また層別は、他のQC七つ道具の前準備として活用されます。層別ができるようにトライでデータ取りしなかったり、層別を間違えると不具合の原因を見つける事ができず、改善が進みませんので、重要な手法と言えます。

例えば、下図のように様々な図形は以下のように層別できます。

々な図形

層別のポイント

層別は、結果の違いから見る方法と、原因の違いから見る方法があります。

結果(特性)の層別

結果(特性)を層別する事で、原因(要因)の違いを見る事ができます。
例えば、不良発生率が高いという問題に対して不良発生率が高い日と低い日を層別する事で、要因(作業者、設備、材料のロット、生産条件など)の違いがあるか考える事ができます。

原因(要因)の層別

原因(要因)する事で、結果(特性)の違いを見る事ができます。
順番としては、まず特性要因図で大きな影響になると考えられる要因をピックアップし、層別します。
この層別で結果(特性)の違いを見つける事ができない場合は、別の要因を層別します。

特性要因図についてはここで説明しています。
QC検定3級 QC七つ道具 特性要因図 | アンキロぱぱのブログ (ankiropapa.com)

例えば、生産現場でキズについて改善する場合、特性要因図でキズが付く可能性が高い要因をピックアップします(作業者の習熟度、設備、製品の形状、作業方法)。
もし作業者の習熟度が影響していると考えられるのなら、作業者の習熟度で層別します。ここで違いが見つける事ができなければ、設備、製品の形状、作業方法と層別して真因を探します。

層別の手順

層別の手順は4つステップで進めます。
「例」では樹脂成形の生産ラインをイメージしています。

①解決すべき問題を明確にする
 解決する問題を明確にし、データも何を使用するか決める。

[例]
 解決すべき問題:生産ライン(成形品)で発生する不良を減らす
 使用するデータ:生産ラインの不良記録
②層別する結果(特性)や原因(要因)を決める
 特性要因図を使用するなどして、層別する項目を決める。

[例]
 作業者:Aさん Bさん Cさん Dさん
 曜日 :月、火、水、木、金
 作業時間 :昼勤(8:00~17:00)、夜勤(20:00~5:00)
 設備 :1号機、2号機、3号機
 生産品(品番):1111-1、1111-2、2222-1、2222-2
 不具合内容 :キズ、外観不良、成形不良、寸法不良
③データを集める
 層別する項目のデータを集める、もしくはデータを取る。

[例]
 使用するデータ:生産ラインの不良記録、トライでの寸法測定データ
④データ解析、原因の検討
 用意したデータを層別し、違いを見つけます。
 違いが見つかれば、その原因について検討し対策を練ります。

[例]
 1.作業者を層別:作業者毎に「キズ」の件数のばらつきが大きい
   原因の検討 :作業者毎に作業方法が違う
   対策    :「キズ」の件数が少ない「Bさん」の作業方法で標準化する

 2.曜日を層別 :「月」の「昼勤(8:00~17:00)」で「成形不良」が多い
   原因の検討 :「月」の「昼勤(8:00~17:00)」の生産開始時は
          生産ラインの気温が低い
   対策    :「月」の「昼勤(8:00~17:00)」は暖機運転の時間を増やす

練習問題

次の文章で正しければ〇、間違えなら✖と回答せよ。

問1
層別とはデータを、作業者、日付、設備、生産時の温度、生産条件などの項目に分けて、類似点を探す為の手法です。

問2
するという事は、特性要因図で大きな影響になると考えられる要因をピックアップし、層別します。違いを見つける事ができない場合は、別の要因を層別します。

回答
問1 :✖ 項目に分けて比べる事で違いを見つける事ができる手法
問2 :✖ 問題文は、結果(特性)ではなく、原因(要因)を層別している

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