品質経営の要素:標準化【言葉として】

QC検定 3級

品質経営の要素:標準化【言葉として】では標準化の目的、考え方、標準化した時のメリットなどについて問われます。

第24回~第30回のQC検定3級では以下のように出題されます。

試験(QC検定3級)第24回第25回第26回第27回第28回第30回
標準化1問1問1問1問1問

標準化とは

JIS Z 8002 : 2006 では標準、を以下の通りに定義しています。

関連する人々の間で利益又は利便が公正に得られるように,統一し,又は単純化する目的で,もの(生産活動の産出物)及びもの以外(組織,責任権限,システム,方法など)について定めた取決め。 

引用元:JISZ8002:2006 標準化及び関連活動-一般的な用語 (kikakurui.com)

つまり標準は、作業方法や規格などを統一や単純化したルールと言えます。

業務を円滑で合理的に進めるには、従業員1人1人が順守するルールが必要です。

ルールがある事で、いつ誰が同じ業務を行っても、ムダやムリが少なくなり成果を期待できます。

このようにルールを設定する事を標準化社内標準化)と言います。

標準化した物の具体例には、社会規定や図面や作業要領書(手順書)などがあります。

標準化の目的

標準化の目的は主に以下の通りです。

  • 相互理解
    設計者の意図を関係者に伝え易くなります。
  • 互換性の確保 
    劣化した製品や部品が入手できるようになります。
  • 多様性の調整
    部品の種類が増え過ぎると消費者が正しい対象品を選定することが困難になり、予備品が増えるなど消費者に好ましくない状態になります。
  • 両立性の確保
    異なる標準や要件が競合する場合でもそれらを適切に統合することで、複数の規格や要件を満たすことが可能です。

標準化の目的は他にも健康や安全の確保環境の保護貿易障害の除去などがあります。

社内標準化

社内標準化(ルール)づくりと展開

社内標準化する上で重要なのが、分かり易く実行可能である事です。

社内標準は実行可能でなければ、従業員1人1人が順守されません。
またルールを守ってもらうには社内関係者の意見を反映させ、合意をとる必要があります。

さらに社内標準化は特定の人たちの主観ではなく、客観的に規定されていることも重要です。

社内標準化したものが順守されるには、権限を持った人に説明・展開されると、社内標準が権威付けされ、実行・順守され易くなります。

標準類の管理と改訂

標準化されたルールでも社内や社外の環境の変化でルールの順守が難しく、またはルール自体が必要なくなる事もあります。そういった変化の状況に応じてルールの変更する必要があります。

ルールの変更(改訂)できるようにするには、常に標準化された書類を管理・保管しなければいけません。

このように標準類の管理や改訂の発行することを維持管理と言います。

PDCAで改善した後にSDCAで維持管理するので、この2つはセットで取り組むといいです。

PDCAとSDCA(維持管理)についてこちらの記事で解説しています。

標準化のメリット

標準化のメリットは主に以下の5つです。

  1. 社内のノウハウや技術・技能を蓄積し、技術伝承を促進できる。
  2. 作業方法や部品(材料)の単純化を図ることができ、コスト低減につながる。
  3. 作業方法やデータを共有化でき、作業を正確・迅速に行う事ができる。
  4. 社内や顧客との情報伝達が容易になり、相互理解が促進できる。
  5. 基準が明確になり、5M{人 (Man)、機械 (Machine)、材料 (Material)、方法 (Method)、測定 (Measurement)}起因のばらつきが低減され、品質が安定する。

規格

統一や単純にすることで、関係する人たちが公正に利益や利便を保証されるように、製品やサービスに技術的な取決め事項が必要です。この取決めを規格といいます。

規格には公認機関で定められた規格(ISO、IEC規格、JISなど)と、企業や企業間で定めた独自の規格があります。

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