品質保証 : プロセス保証[定義と基本的な考え方]では工程管理、検査、工程解析について問われます。
第24回~第30回のQC検定3級では100%の確率で出題されます。
試験(QC検定3級) | 第24回 | 第25回 | 第26回 | 第27回 | 第28回 | 第30回 |
プロセス保証 | 2問 | 1問 | 1問 | 1問 | 1問 | 1問 |
また、「QC七つ道具」や「QC的ものの見方・考え方」の知識も一緒に問われる傾向があります。
以下の投稿で「QC七つ道具」と「QC的ものの見方・考え方」を解説しています。良ければご覧下さい。
プロセス保証の考え方
プロセス保証で重要なことは、アウトプットのみを追求するのではなく、プロセスに着目し、仕組みや作業方法を管理・改善することです。
前の工程は次工程(後工程)の意見や満足度合いを把握し、その結果と自らの仕事の仕組みや作業方法との関係を分析し、必要に応じて改善しないといけません。この考え方を後工程はお客様と言います。
工程管理と工程異常
工程管理
製品の品質確保や低コストに抑えるには、検査で不適合品の流出を抑えるのでは無く、工程の管理で品質を保証する事が重要になります。
工程管理の方法として以下の方法があります。
- 作業標準
重要な要因の工程異常が発生しないように、作業目的や条件、作業方法、結果の確認方法を作業標準に示し、それで教育訓練を行います。 - バラツキ要因の洗い出し
製品は様々な要因の影響を受けて、特性のバラツキが発生します。全ての要因に対して対策する事は難しいので、特に影響を受けている要因を洗い出し、対策を行いバラツキを小さくします。 - QC工程図(QC工程表)
QC工程図(またはQC工程表)は、製造業において品質管理を効率的に行うための重要なツールです。製品単位で、材料の受け入れから出荷されるまでの各段階で、保証されるべき特性ごとに検査や確認の方法、基準を記載した図です
QC工程図の具体的な図表については、製造部様の記入例が分かり易いです。
引用元:製造部
工程異常
工程で異常が発生した場合は、応急処置、是正処置、源流管理が重要です。これらについては以下の投稿記事で解説しています。良ければご覧ください。
QC的ものの見方・考え方 | アンキロぱぱのQC検定3級合格のためのブログ (ankiropapa.com)
また異常が発生する前に、どのような状態が異常か定義しておく必要があります。異常の定義があいまいだと異常に気付かれず見逃す事がありえます。
異常を明確に定義し、あいまいな判断を小さくする事を極小化と言います。
また工程異常については、4M(人[Man]、機械[Machine]、材料[Material]、方法[Method])を調査して原因の究明する事が重要です。
また普段は4Mに変化がないか変化点管理をする必要があります。
検査の標準化と検査作業
検査の定義
検査はJISなどで色々と定義されています。
例えばJIS Z 8101-2:2015では、以下のように定義されています。
適切な測定、試験、又はゲージ合せを伴った、観測及び判定による適合性評価
JIS Z 8101-2:2015
「判定による適合性評価」は品質判定基準(規定要求事項)に適合しているかどうかで判定します。
※品質判定基準の全ての検査項目(要求事項)を満たす事を適合と言います。
検査の種類
検査には、製品1つ1つに対して全数検査と、いくつかのまとまり(ロット単位)で行う抜き取り検査があります。
抜き取り検査では意図的に適合品や不適合品を選ばず、あくまで無作為のサンプルを選びます。
検査の標準化
誰が検査しても正しく行え、同じ結果が得られるように検査のポイントをまとめ共有する事を、検査の標準化と言います。
検査を標準化する上で、生産者・後工程の立場で考え、また顧客(消費者)の要求を抑え、検査コストに見合っている事も考慮しなければいけません。
また検査の判定基準があいまいだと、検査ミスを引き起こし易いです。検査の標準資料の不備や検査者の疲労、モラルの低下も検査ミスの要因になります。
工程解析
工程異常が発生した時、応急処置後に工程解析を行い、真の原因を究明する事が大切になります。
工程解析は以下の方法があります。
工程解析の手法
工程の解析では、以下のQC七つ道具を使用します。
ヒストグラム
分布の形に注意します。例えば二山型なら層別して異常の要因を検討します。
ヒストグラムの詳細については以下の投稿記事で解説しています。
QC検定3級 QC七つ道具 ヒストグラム① | アンキロぱぱのQC検定3級合格のためのブログ (ankiropapa.com)
特性要因図
結果に影響を与える与える要因を抽出して、結果の特性と要因との関係を整理します。
特性要因図の詳細については以下の投稿記事で解説しています。
QC検定3級 QC七つ道具 特性要因図 | アンキロぱぱのQC検定3級合格のためのブログ (ankiropapa.com)
散布図
特に影響する要因が計量値なら、特性と要因を縦軸と横軸にデータを打点する事で特性に対する要因の影響度を把握します。
散布図の詳細については以下の投稿記事で解説しています。
QC検定3級 QC七つ道具 散布図 | アンキロぱぱのQC検定3級合格のためのブログ (ankiropapa.com)
工程能力指数
ここではCp(Cpk)の値から工程の状態を判断できるかが問われます。
Cp(Cpk) | 工程能力 | 対応 |
Cp≧1.67 | 工程能力は十分過ぎる | バラツキがもう少し大きくなっても心配ない ので、管理の省略化やコスト低減方法を検討。 |
1.67>Cp≧1.33 | 工程能力は十分 | 理想的な状態なので維持する |
1.33>Cp≧1.00 | 工程能力は十分とは言えないが、 まずますである | 工程管理をしっかりと行い管理状態に保つ。 Cpが1に近づくと不適合品発生の恐れがある ので、必要に応じて対応する。 |
1.00>Cp≧0.67 | 工程能力は不足している | 不適合品が発生している。 全数検査や工程管理の改善が必要。 |
0.67>Cp | 工程能力は非常に不足している | とても品質を満足する状態ではないので、 原因を追及し品質改善を行い、緊急対策 が必要。または規格を再検討する。 |
【対応例】
- Cpの値が大きい(分布の幅(標準偏差)が小さい)のにCpkの値が小さい場合は、分布が偏っているので、分布の平均値を規格中央値に持っていきます。
- 分布の平均値が規格中央値に近いにも関わらず、Cp・Cpkの値が小さい場合は、分布の幅(標準偏差やバラツキ)を小さくします。または規格の幅を広げます。
標準偏差や工程能力指数の詳細については以下の投稿記事で解説しています。
QC検定3級 QC七つ道具 ヒストグラム② 標準偏差と工程能力指数 | アンキロぱぱのQC検定3級合格のためのブログ (ankiropapa.com)
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